注文住宅の照明計画【実体験】グレアレスとコーニス照明を選んだ理由と費用

注文住宅を建てるにあたって、照明計画にこんなに時間がかかるとは思っていなかった。

設計士から図面が上がってきて「あとは照明を決めるだけ」と思ったら大間違い。ダウンライトの数・位置・種類・調光の有無……決めることが山積みで、気づいたら打ち合わせ数時間が照明の話だけで終わっていた。

この記事では、設計事務所と注文住宅を建築中の私が、照明計画で考えたこと・採用したもの・かかった費用を全部書く。

この記事でわかること

  • 「明るくする照明」ではなく「落ち着ける照明」を目指した考え方
  • グレアレスダウンライト・コーニス照明・ペンダントライトを選んだ理由
  • 照明費用15万円の実態と、計画をうまく進めるコツ
落ち着いた照明のリビング
陰影のある照明が落ち着いた空間を作る

日本住宅の照明設計への違和感

日本の住宅の照明は「明るい=豊か」という価値観で設計されてきた歴史がある。シーリングライト1灯で部屋全体を均一に明るくする、あのスタイルだ。

でも私が目指したのは、陰影があって、長時間いても疲れない空間だった。夜リビングでゆっくりしたいのに、蛍光灯のような均一な明るさでは落ち着けない。仕事・勉強をする書斎と、くつろぐリビングでは求める明るさがまったく違う。

「ゆっくり落ち着ける空間」と「集中して作業できる空間」を分けて考え、それぞれに必要な明るさを設計する——これが照明計画の出発点だった。

実際にやった照明計画の進め方

① 1畳あたり400lmを基準に必要光束を計算

感覚で「なんとなく明るそう」では打ち合わせが進まない。そこで1畳あたり400lm(ルーメン)を基準に、各エリアに必要な光束を計算した。

たとえばリビング(15畳)なら 15 × 400 = 6,000lm が目安。そこに置く照明のlm数を合計して、足りていればOK、足りなければ照明を追加するか、隣のエリアからの光で補えるかを検討する。

あえて暗くする場所も作った。落ち着けるソファ周りは、計算上の必要lmよりやや少なめに設定。「明るさが足りない」のではなく「意図的に落としている」状態を目指した。

② FigmaでPDFを取り込んで管理

設計士からもらった図面をスキャンしてPDFにし、Figmaに貼り付けて照明計画を管理した。各照明の位置・種類・lm数をその場で書き込めるので、打ち合わせのたびに「最新版どれ?」と迷わなくて済む。

このFigmaを使った照明計画の方法は別記事で詳しく書く予定。

③ SNSで徹底リサーチしてイメージを持ち込む

設計士が最初に出してくれた照明計画は、ある意味「標準的な」計画だった。陰影のある空間を作るには、自分でリサーチして「こういう空間にしたい」という具体的なイメージを持ち込む必要があった。

YouTube・Instagram・X・Threadsで実例を収集し、自分で修正図面を作って設計士に提示する形で進めた。ここが一番時間がかかったが、一番大事なプロセスだったと思っている。

照明計画の図面作成イメージ
Figmaを使って図面上に照明を落とし込んでいった

採用した照明の種類と選んだ理由

メインはグレアレスダウンライト

ダウンライトの多くにグレアレスタイプを採用した。グレアレスとは、光源(LED)が見えにくい形状になっているもので、見た目がすっきりしてグレア(まぶしさ)を抑えられる。

採用した理由は2つある。

  • 中庭の窓への写り込みを防ぐため:夜に室内の照明が窓に反射すると、せっかくの中庭が見えなくなる。グレアレスは光が下に集中するので写り込みが出にくい
  • ソファで寝転んだときに眩しくないため:通常のダウンライトはリビングで横になったとき光源が目に入る。グレアレスなら眩しくない
種類 定価目安(1個) 特徴
通常ダウンライト 3,000〜5,500円 光が広がる。価格が安い
グレアレスダウンライト 5,000〜9,800円 光源が見えにくい。まぶしくない

価格差は1個あたり2,000〜4,000円ほど。全部グレアレスにすると費用がかさむため、窓への写り込みが気になる箇所・床を照らしたい箇所のみグレアレスを採用し、それ以外の約10個は通常ダウンライトにしてコストを抑えた。

ダイニングのペンダントライト(ルイスポールセン PH5)

ダイニングテーブルの上には、ルイスポールセンのPH5を置く予定だ(引越し後に購入)。1958年にデザインされた名作で、シェードが多重構造になっていて光源が直接見えない。手元をやさしく照らしながら、空間の主役にもなる照明だ。

「LDKの象徴になる照明を1つ置きたい」という思いから選んだ。値段は張るが、一生使えるデザインだと思って決めた。

ペンダントライトのあるダイニング
ペンダントライト1灯でダイニングの雰囲気がガラッと変わる

コーニス照明(大光電機 まくちゃん)

吹き抜けと下り天井に、大光電機の「まくちゃん」を使ったコーニス照明(壁や天井面を上から下に照らす間接照明)を仕込んだ。

まくちゃんの特徴は、従来なら建築造作で「幕板」を設ける必要があった間接照明を、器具だけで完結できる点。設計士から提案を受けて採用を決めた。

コーニス照明が入ると空間に奥行きが生まれる。ダウンライトの直接光だけでは出せない、やわらかい立体感を作ってくれる。

調光あり・調色なし

調光(明るさを変えられる機能)は採用した。夜にリビングでくつろぐときと、食事をするときでは必要な明るさが違うからだ。

一方、調色(色温度を変えられる機能)は採用しなかった。全室を電球色(暖色系)に統一することにしたので、色を変える必要がないと判断した。昼光色の白っぽい光は落ち着かないイメージがあって、家全体を電球色で揃えたかった。

照明の費用(約15万円)

照明費用の合計は約15万円。これはルイスポールセン PH5(引越し後購入)を除いた金額で、工事費込みの設計事務所経由の価格だ。

ダウンライトの数はLDK・書斎・廊下など合わせるとかなりの数になる。グレアレスを必要な箇所だけに絞ったコスト調整は正解だったと思っている。

設計士との擦り合わせで大変だったこと

一番難しかったのは、「明るさの感覚を共有する」ことだった。

「この照明計画、暗すぎないか?」という不安は最後まであった。lmの数字では伝わらない「落ち着いた暗さ」と「暗すぎて不便な暗さ」の違いを言語化するのが本当に難しい。

対処法として、イメージ写真を大量に集めて「これは暗すぎ」「これはちょうどいい」「これは逆に明るすぎ」と伝え続けた。言葉より写真のほうがはるかに伝わる。打ち合わせにはいつも10〜20枚の画像を持ち込んでいた。

感覚の共有はうまくいかなかった部分もある。それでも「なんとなく明るくしておこう」という消極的な選択より、自分の理想に向かって選んだ計画のほうが後悔は少ないと思っている。完成を楽しみにしながら待つしかない。

やってよかったこと・後悔しそうなこと

✅ やってよかったこと

  • SNSで徹底リサーチして自分でイメージを持ち込んだこと。設計士に任せていたら標準的な照明計画になっていたと思う
  • lm計算で根拠を持てたこと。「暗くなるかも」という不安を数字で確認できた

⚠️ 後悔しそうなこと

  • コスト削減でセンサー照明を一部やめたこと。実際に住んでみて不便かもしれない。完成してみないとわからない
モダンな注文住宅のインテリア
照明設計次第で空間の印象は大きく変わる

まとめ

  • 照明計画は「明るくする」より「どんな空間にしたいか」から逆算する
  • グレアレスダウンライトは窓への写り込みと眩しさを防ぐのに効果的。全部グレアレスにしなくてもいい(必要な場所だけでOK)
  • 設計士との感覚の共有は写真を大量に使う。言葉だけでは伝わらない
  • 費用は約15万円(工事費込み)。コストはグレアレスの個数で調整できる

照明は住んでみて初めてわかることも多い。でも自分の考えで選んだ照明計画なら、たとえ想定外のことがあっても納得できる気がしている。

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