注文住宅を建てていると、「グレードを上げるか・上げないか」を決める設備が次から次へと出てきます。キッチン・収納・照明はすでに別記事で書いたので、この記事ではそれ以外の5つの設備について、うちがどう判断したかをそのまま書きます。
先に言っておくと、うちは5つのうち4つを「あえて採用しない」判断をしています。理由は「なんとなく」ではなく、それぞれコストや暮らし方から考えた結果です。この記事では、うちの判断と合わせて、実際に世の中でどのくらいの人がその設備を採用しているのかも調べて並べました。
我が家の判断 × 全国・調査データの採用率
まず結論の一覧です。「我が家の判断」と「実際どのくらいの人が採用しているか」を並べました。
| 設備 | 我が家の判断 | 採用率の目安 |
|---|---|---|
| 床暖房 | 見送り | 戸建てで13.8%(勤労者世帯平均) |
| 全館空調 | 見送り | 24.4%(首都圏・新築戸建て10年以内) |
| 窓サッシのグレード | アルミ樹脂複合(ダブルガラス)採用、トリプルは見送り | 樹脂サッシ全体の普及率39%(トリプルはさらに少数派) |
| 電気容量・コンセント数 | 容量はこだわらず、コンセント数は多め | —(一般的な目安なし) |
| 宅配ボックス | 見送り(置き配で対応) | 注文住宅で38.1% |
並べてみると、うちが見送った設備はどれも「多数派ではあるが圧倒的多数ではない」ラインでした。次から、それぞれの判断理由を具体的に書いていきます。
①床暖房は見送った。「コストが高くなりそう」は本当だったのか
床暖房を見送った理由は単純で、コストが高くなりそうだったからです。ただ、これは体感的な判断だったので、記事にするにあたって実際の費用相場を調べ直しました。
新築住宅への床暖房の設置費用は、1畳あたり約5万円〜10万円が目安。15畳のLDKに入れる場合、単純計算で75万円〜150万円程度になる——床暖房の費用相場は?新築の設置費用やランニングコスト、種類を解説|一建設より
LDK全体に入れると考えると、確かに小さくない金額です。しかも初期費用だけでなく、電気代やガス代のランニングコストも別途かかります。「高くなりそう」という当時の感覚は、数字で見てもそこまで外れていなかったことになります。
普及率のデータを見ても、床暖房を採用している戸建ては勤労者世帯平均で13.8%というのが実態です。
勤労者世帯(27,788世帯)での床暖房設置率は12.9%(約3,584世帯)。持ち家・勤労者世帯に限ると16.2%——総務省「全国消費実態調査」(e-Stat公表データ)より(床暖房はいらない?勤労世帯の床暖房の普及率に関する政府調査資料まとめで紹介)
年収帯によって普及率は大きく変わるようで、年収1500万円以上の世帯では50%を超えるという数字も出ています。うちはそこまでの年収帯ではないので、「一般的な範囲で見送った」という位置づけになりそうです。
設備でどこにお金をかけるか迷っている方へ
床暖房・全館空調などの設備は、住宅会社によって標準仕様も価格差も大きく違います。着工前に複数社のプランと資金計画を無料・3分で比較しておくと判断しやすくなります。
②全館空調も見送った。中庭×窓を開ける暮らしとの相性
うちの家には中庭があり、中庭とLDKを一体的に使いたいという設計方針でした。そのため、窓をよく開ける生活を前提にしています。全館空調を見送ったのは、この「窓を開ける暮らし」と全館空調の相性が良くないと考えたからです。
これも感覚的な判断だったので、実際に調べてみました。
全館空調システムは、機械的な換気と空調を行うため、自然換気を好む人には不向き。窓を開けて自然の風を取り入れたいと考えている人には、全館空調システムは適していない——全館空調はやめた方がいいってホント?メリット・デメリットを解説します|セキスイハイム東海より
複数の解説記事を見比べても、「窓を頻繁に開け閉めすると空調効率が落ちる」「自然換気を好む生活スタイルとは相性が悪い」という趣旨はほぼ共通していました。中庭とLDKをつなげて窓を開け放したい、という当初の方針とは確かに噛み合わない設備だったようです。感覚での判断でしたが、裏付けは取れたと思っています。
採用率のデータでは、首都圏で10年以内に戸建てを新築した人のうち全館空調を採用したのは24.4%でした。
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)在住30〜79歳、10年以内に戸建てを新築した973名のうち、全館空調採用者は237名(約24.4%)、個別エアコン採用者は736名(約75.6%)——旭化成ホームズ「全館空調採用者と非採用者の住環境意識・満足度調査」(2024年10月実施)より
4人に1人程度という水準なので、全館空調はまだ多数派ではありません。うちのように「窓を開けたいから見送る」という判断は、それなりに理にかなっていたと感じています。
③窓サッシはアルミ樹脂複合(ダブル)。トリプルにしなかった理由
窓サッシは、断熱性能を上げるならトリプルガラスという選択肢もありましたが、うちはアルミ樹脂複合サッシ(ダブルガラス)を採用しています。理由はシンプルで、トリプルはコストが高かったのと、都内という立地でそこまで断熱性能を上げてもオーバースペックになり、性能よりコストの方が気になってしまうと考えたためです。
トリプルガラス樹脂サッシが日本であまり普及していない理由は、ペアガラスよりも価格が高いことに加え、日本に窓の断熱性能に関する基準がないことが大きな要因——日本と世界の樹脂窓の普及率を調べたら、世界標準窓は断熱性能が高い樹脂窓でした|ヨシダクラフトより
「基準がないからオーバースペックかどうかも自己判断になる」という点は、記事を書くために調べてみて初めて知りました。都内でどこまで断熱性能を追うかは正解のない判断ですが、うちは費用対効果で線を引いた形です。
普及率で見ても、樹脂サッシ全体(トリプル・ダブル問わず)の普及率は39%(2025年度)で、寒冷地の北海道では約90%まで上がる一方、地域差が大きい設備です。
日本における樹脂サッシの普及率は39%(2025年度)——樹脂サッシ工業会
アルミ樹脂複合サッシは、樹脂サッシの中でも比較的コストを抑えたグレードにあたります。トリプルまで踏み込まなかった判断は、都内という立地を考えると妥当だったと今も思っています。
④電気容量にはこだわらなかったが、コンセントの高さだけは標準を外した
アンペア数や分電盤の容量については、正直あまりこだわっていません。一方でコンセントの数は多めに確保していて、「どの家電をどこで使うか」から逆算して配置を決めました。
1つだけ標準から外したのがコンセントの高さです。一般的にはコンセントは床から25cmの高さに設置することが多いとされていますが、うちは使いやすさと見た目の観点から床から15cmの高さに変更しています。
日本の一般的な住宅では、コンセントは床から25cmの高さに設置されることが多い。過去からの習慣で使いやすい高さとされているが、法的な決まりがあるわけではない——一般的なコンセントの高さは25cm!用途別・部屋別の高さを解説|sumicaより
調べてみて分かったのは、25cmという数字はあくまで慣習であって、法律や規格で決まっているわけではないという点です。うちが15cmにしたのも、「みんなそうしているから」ではなく、実際の生活動線と見た目の好みで決めた結果でした。コンセントの位置・数についてもっと細かく知りたい方は、以前書いたコンセント計画のチェックリスト記事も参考にしてください。
⑤宅配ボックスは設置していない。置き配で足りている理由
宅配ボックスは設置していません。玄関前の置き配で対応できると考えたためです。今のところ、この判断で困ったことはありません。
採用率のデータを見ると、注文住宅で宅配ボックスを設置しているのは38.1%でした。
新築住宅の宅配ボックス設置率は、注文住宅が38.1%、分譲戸建住宅が52.8%、分譲集合住宅が85.0%——国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査」より
注文住宅に限ると6割以上が未設置ということになり、うちのように「置き配で様子を見る」という判断も、決して珍しい選択ではなさそうです。荷物量やライフスタイル次第で今後の判断は変わるかもしれませんが、今のところ後付けも視野に入れつつ、まずは設置しない形で進めています。
設備のグレードで迷っている方へ
「採用する人が多いから」ではなく、自分たちの暮らし方に合うかどうかで判断するのがおすすめです。まずは複数社のプランを無料で比較してみると、判断材料が増えます。
まとめ
- 床暖房・全館空調・トリプルガラス・宅配ボックスは見送り。窓サッシはアルミ樹脂複合(ダブル)を採用、コンセントの高さだけ標準の25cmから15cmに変更した
- 床暖房は15畳で75万〜150万円程度の初期費用がかかる想定で、「コストが高くなりそう」という判断は数字で見ても妥当だった
- 全館空調は機械換気が前提のため、窓を開けたい・自然換気を好む暮らしとは相性が良くないという指摘が複数の情報源で一致していた
- 窓サッシは都内という立地でトリプルまで求めるとオーバースペックになりやすく、コスト重視でアルミ樹脂複合(ダブル)を選んだ
- 見送った設備の採用率はどれも「多数派だが圧倒的多数ではない」水準(床暖房13.8%、全館空調24.4%、宅配ボックス38.1%)で、少数派というほどの選択ではなかった


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